かなたはて

とりとめもないこと。

【レビュー】『測定から読み解く レオロジーの基礎知識』レオロジー測定の入門に

上田隆宜『測定から読み解く レオロジーの基礎知識』日刊工業新聞社

https://m.media-amazon.com/images/I/51TUUBedZuL._AC_UY218_ML3_.jpg

 

【感想】

 レオロジーの入門書の位置づけ。

 実際の測定結果が多く掲載されており、それらに対する解釈がさらりと書かれている。実験をするときのノウハウのようなことも少し書かれており、理論の勉強だけでは中々知りようがないこと、例えば実験のやり方や解釈のコツなどが分かる。

 この本で初めて知ったことも多いが、ちょっとおすすめしにくい。というのは、一つ目に、内容がとっちらかっていて今何の話をしているのかわかりにくいこと。二つ目に、用語の説明が丁寧なようであまり丁寧でないこと。amazonレビューが芳しくないのも、この辺が理由かと。

 巻末にレオロジー関連の本が30冊ほど紹介されていて、これは大変参考になった。中村鶴太郎氏の『レオロジー』や『流れる固体』もこの本を読んで初めて知った。この参考文献集は、初心者にとってレオロジーの勉強指針になると思う。

 また、続編として以下のような本がある。

 

achiranagih94.hatenablog.com

 

 あまりおすすめしくにいとは書いたものの、レオロジー測定の実務に関して解説した書籍は本書と上記続編以外見当たらないので、そういった点では唯一無二の価値ある本だと思う。