かなたはて

とりとめもないこと。

剛体の力学には工業力学の本が良いのかもしれない

初等力学の中でも剛体の力学が苦手。なのに理学部向けの本は、本腰を入れて剛体の力学を説いていないくて、どちらかというと解析力学の前座としての初等力学を解説している。だからそういった本を読んでも、車が走る時の挙動とか、ロボットの動き方とか、現実の物体の動きをモデル化するのは難しい。
 そういう状況でいろいろと本を探してみると、どうも機械系の一分野である工業力学が剛体の力学をメインに解説していることが分かった*1。この記事では剛体の力学を学ぶために読んでみた工業力学の本を紹介する。

 

 

基礎と応用 機械力学

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 全体的にベクトル表記で解説されている。力学が苦手なので、そこそこ歯ごたえがあった。でも、内容はきちんと書かれていて参照するときに便利。でも、応用例というか実践例は少ないので、現実の系に応用するときはちょっと難しい。抽象と具象を自由に行き来できる人には毛ほども難しくないのだろうけど。 

 

機械力学 機械系大学院講義シリーズ

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 回転機械の力学について結構詳しい本。剛体の力学全般から回転体の力学へ進みたいときの導入に良いかと。力学苦手なので、そこそこ難しかった。

 

詳解 工業力学 第2版

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 ベクトル表記していない簡単な本。例題が多数乗っていて、それを解いていくスタイル。可もなく不可もなくといった感じで、ちょっと手ごたえがなかった。

 

機械工学基礎講座 工業力学(第2版)

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 『詳解 工業力学 第2版』の姉妹本?同じ著者が書いていて、内容がほとんど同じ。どちらか一方にしか書いていない項目もあるが......。例えば、ジャイロ効果については、本書にのみ解説されているはず。両方買ってしまったが、どちらか片方で良いと思う。

 強いて書くなら、本書『機械工学基礎講座 工業力学(第2版)』は教科書的で、『詳解 工業力学 第2版』は演習書的な性格。

 

JSMEテキストシリーズ 機械工学のための力学

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 可もなく不可もなく。JSMEブランドが好きな人は買うと良いと思う。『詳解 工業力学 第2版』や『機械工学基礎講座 工業力学(第2版)』よりも少し簡単な気がする。

 

機械力学の基礎と演習(第2版)

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  例題や演習を解いていくスタイル。難易度は高い。ベクトルを使ってゴリゴリ解いていく問題もある。相性が悪いのか、書いてある内容が理解しにくいことが多かったため、途中で断念。

 これくらいの問題を難なく解けるようになれると工業力学が分かったと言えそう。

 

ロボット工学(改訂版)

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 かなり評判が良い本。購入したものの未読。『機械力学の基礎と演習(第2版)』よりは解説が丁寧でわかりやすそう。これもベクトルを使って解説されている。ベクトルを成分表示してくれているので優しい感じがする。

 

 

*1:機械力学と呼称される場合もあるようだが、機械力学というと振動工学を指す場合もあるので、本記事では工業力学と呼ぶことにする。