かなたはて

とりとめもないこと。

【レビュー】『JSMEテキストシリーズ 流体力学』

 日本機械学会『JSMEテキストシリーズ 流体力学

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【目次】

第1章 流体の性質と分類

第2章 流れの基礎

第3章 静止流体の力学

第4章 準1次元流れ

第5章 運動量の法則

第6章 管内の流れ

第7章 物体まわりの流れ

第8章 流体の運動方程式

第9章 せん断流

第10章 ポテンシャル流れ

第11章 圧縮性流体の流れ

 

【感想】

 工学寄りの流体力学の教科書。例題の数はそこそこで、解説も丁寧。独学に良いと思う。演習版もあるので、演習をこなしたい人はそちらも見てはどうか。

 個人的には、なぜか使いにくかった。各章ごとに著者が異なっていて、文章の調子がそれぞれ違う点。静止流体が全章通して難しめなのに、初めの方の章にある点。ナビエ・ストークスの導き方が微妙な点。第11章が単純に分かりにくい点。テンソル表記での説明があまりない点(工学寄りの本なので仕方ないのか)。以上が使っていて居心地の悪さを感じた箇所。

 良くないところばかり最初に挙げたが、内容に過不足のないところは、この本の良い点だと思う。また、有限体積法(コントロールボリューム法)の説明は、独特ではあるものの、きちんと読むとイメージしやすく書かれていた。最初にも書いたが例題の解説も丁寧で良い。

 初学者にオススメとは言い切れないが、迷ったらこの本を選ぶと良いと思う。日本機械学会が編纂しているだけあって、大外れではない。

 自分はまだ流体力学を身につけたとはいえないので、あとは、適当な演習書や理学寄りの本で知識を補強したいと思う。