かなたはて

とりとめもないこと。

【レビュー】『図解はじめての材料力学』初心者向けの材力の本

荒井政大『図解はじめての材料力学』講談社

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/518ZVK8ZIUL._SX353_BO1,204,203,200_.jpg

 

【目次】

第1章 材料力学とは
第2章 力学の基礎
第3章 応力とひずみ
第4章 真応力と真ひずみ
第5章 材料の応力―ひずみ線図
第6章 さまざまな棒や板の変形
第7章 不静定問題の基礎
第8章 熱応力
第9章 トラス
第10章 組合せ応力
第11章 主応力
第12章 モールの応力円
第13章 はりのせん断力と曲げモーメント
第14章 はりの曲げ応力
第15章 静定はりのたわみ(1)
第16章 静定はりのたわみ(2)
第17章 不静定はりのたわみ
第18章 棒のねじり(1)
第19章 棒のねじり(2)
第20章 座屈
第21章 ひずみエネルギーの基礎
第22章 ひずみエネルギーの応用
第23章 応力集中
第24章 破壊力学の基礎

『図解 はじめての材料力学』(荒井 政大)|講談社BOOK倶楽部より引用

 

【感想】

 初心者向けの本だが、初心者には厳しいところがある。

 材料力学の基礎的な事項はおおよそ記載されていた。1章から12章を通して、材料力学の基本の基本を丁寧に解説していた。例えばこれらの章では、1軸伸張における応力とひずみの関係やトラスの解き方、組み合わせ応力の考え方を丁寧に解説されており、正に“はじめて”の人向けの本だと感じた。特に真ひずみと公称ひずみの考え方はわかりやすかった。
 ただし、13章以降から説明が雑になってくる。例えば、どうしてその式を使うのか、なぜそのような力を考えるのかなどの解説が省略されたりしている。丁寧な12章までとのギャップが大きく、かなり戸惑った。実際本書では、材料力学において重要である剪断応力図や曲げモーメント、たわみの考え方が唐突に導入されており、これらの概念を本書だけで理解するのは難しかった。

 まとめると、12章以前に関しては概ね丁寧で初学者に優しい。しかし、13章以降は説明が唐突。初学者が本書だけで材料力学をまるっと理解するのは難しいと思った。