かなたはて

とりとめもないこと。

何処まで勉強すればいいか、あるいは畑違いの勉強について

 学問や技術について、どこまで知識を身に付けると良いのか分からない。

  一つ目に、どこまで身に付ければ物事を遂行するのに十分と言えるのか、あるいは一通り基礎的な部分は理解したと言えるか。

 二つ目に、どこまで身に付ければ、その分野で応用が利くのか。つまり、背景知識として、どこまで知っていれば、その分野に対する行動に対して深みが出るのか。

 

 観念的過ぎてよくわからないので、ちょっと具体例を。例えば大学で電気を専攻して就職後は化学メーカーのプロセス設計部門に配属されたとする。

 このとき業務を遂行するにあたって、化学工学や有機化学無機化学、物理化学のどこまでが必要になるのだろうか。何処まで勉強すれば、ある程度円滑に業務を遂行できるのだろうか。どこまで知識があれば化学系専攻の人たちに比べて遜色のないパフォーマンスを発揮できるのだろうか。

 

 これに対して実際的な話をすると、勉強し続けるしかないとか、正面からぶつかるのは止めて電気系の強みを生かせとか、そういう話になると思う。

 もう少し優しい回答だと、長年やるうちに業務はそれなりに回せるようになるとか、就職後勉強しなかった化学系よりも勉強した元電気系の方が知識が豊富になるとか、そういう答えになると思う。

 

 でも欲しいのはそういう答えではない。業務を通して付け焼刃的に化学の知識を身に付けることを勧めるような回答が欲しいわけじゃない。非化学系の人がどこまで勉強すれば化学の教養を身に付けたと言えるのかが知りたい。

 つまり、時間をかけて勉強すればOKというようなプロセスを知りたいのではなく、どの程度知っていれば良いのかというレベルを知りたいのだ。 

 だからこれは、化学のバックボーンを持たないにもかかわらず、化学の知識を体系立って学んだ人に引けを取らない知識・素養を持って仕事をするには、どの程度の勉強をすればよいのだろうかという疑問である。あるいはどこまで勉強して、どこからは見切りを付けるのかという疑問。

 

 大学2年から大学院2年まで、論文に従事する大学4年と修士2年を除いて、だいたい専門科目を合計3年ほど学ぶと思う。現実的に考えると、非化学系の人がこれだけの量を就職後に体系立って学ぶのは無理がある。

 これは時間がないのもあるし、現業で使わない無駄な知識も多いからだ。でもそういう無駄と思える部分に、素養とか教養として発揮される根源があるから悩みどころ。

 

 残念ながらレベルへの疑問に対する解答は分からない。実際問題、化学出身、化学現業の人でも勉強すれば勉強するほど深みがでると思うから。

 

 本質的な回答ではない誤魔かしの回答だけど、プロセスへの疑問に対して自分が考えている答えは次の4つ。

 1つ目が業務に必要なところだけ勉強していくというもの。でも、この方法だと現状の業務以外には応用が利かなくなる可能性が高い。

 2つ目が、大学のシラバスを調べて、指定の教科書やもうちょっと優しい本でコツコツ勉強していくというもの。だけど、これは時間がすごくかかる上に無駄が多い。

 3つ目が資格試験を受けるというもの*1。資格試験だと、その分野を業とする人が当然身に付けておくべき普遍的な知識を問われる。だから資格試験にターゲットすると効率的に素養を身に付けることができる。ただ、2つ目よりましとはいえ時間の無駄が多い。

 4つ目がその分野に関するセミナーや勉強会に参加するというもの。しかし、こういったセミナーは初心者向けの者が多くて、知識を広げるには役立つが深めるには力不足なことが多い。

 結局、これらを複合的に組み合わせて、時間をかけて学んでいくしかないのだろうなあとか、悩みながら勉強して、付け焼刃の知識でその場をしのいで、時には見切りをつけて、そうやって場当たり的にやっていくのだろうなあとか、そんなことをぼんやり考えている。

 残念ながら自分でもまだ上手く整理できていない。

 

 他の人の解答として、エンジニアの学び方─効率的に知識を得て,成果に結び付ける:特集|gihyo.jp … 技術評論社とか続・エンジニアの学び方 | サイボウズ式がある。

 あとは、重要そうだけど興味のないことを頑張っても大していいことなかった話 - 覚書も参考になった。

 2022年6月追記。以下のブログ記事も大変参考になった。

【研究開発×勉強】新しい知識が必要になった時の対処の仕方 : とある三十路研究職の実験ノート

【雑感】整わない環境で無理をしたところで : とある三十路研究職の実験ノート

 

自分と同じようなことで悩んでいる人には一つの指針になるかと思う。参照されたい。

*1:化学工学だと化学工学技士とかがある。