かなたはて

とりとめもないこと。

【レビュー】『新ポリマー製造プロセス』 高分子のプラントでの製造法を紹介した書籍

著者:佐伯康治、尾見信三

『新ポリマー製造プロセス』

出版社:工業調査会

出版年:1994年

 

【目次】

第I編 ポリマー製造プロセスの変化の概要

第1章 ポリマー製造プロセスの変化

第2章 重合反応の様式と製造プロセス

第3章 ポリマー製造プロセスの制御の進歩

第II編 プラスチックスの製造プロセス

第4章 ポリエチレン

第5章 ポリプロピレン

第6章 ポリ塩化ビニル

第7章 ポリスチレン

第8章 ABS樹脂

第9章 エンジニアリングプラスチック

第III編 合成ゴムの製造プロセス

第10章 乳化重合合成ゴム

第11章 溶液重合SBR、BR

第12章 EPDM

索引

 

【感想】

 本書は『ポリマー製造プロセス』の新版に当たる。前著から23年経っており、技術の進歩に合わせて内容が刷新されている。

 本書は前書と同様に主要なポリマーの製造プロセスが解説されている。ポリマーに焦点を当てた工業有機化学の教科書といったところ。

 具体的に何が書かれているかというと、ポリマーの用途、ポリマー製造法の歴史、ポリマーの重合法ごとの特徴、ポリマーの製造工程が紹介されている。この中でも特に製造工程の紹介に力が入れられており、簡単なプロセスフローが示されてどんな手順でポリマーが作られているか紹介していたり、種々の製造プロセスの問題点、改善点が述べられていたりする。

 著者陣が大手化学メーカーの生産技術職や研究職の人っぽいので内容は手堅いと思う。惜しむらくは出版から30年弱経つのに新版が出ない点。