かなたはて

とりとめもないこと。

【レビュー】『図解 世界史で学べ! 地政学』 地政学の基礎教養を身につけたいときに

著者:茂木誠

『図解 世界史で学べ! 地政学

出版社:祥伝社

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【目次】

第1編 大国による世界覇権をめぐる争い(アメリカ;イギリス ほか)
第2編 世界覇権の奪取を狙う2つの大国(ロシア;モンゴル・中央アジア ほか)
第3編 欧米による覇権の歴史を揺るがすアジア(インド;パキスタンバングラデシュ ほか)
第4編 世界で動き出す欧米支配からの脱却(ソマリアエチオピアスーダン ほか)

 

【感想】

 見開き1ページで1つの項目を説明したA4サイズの本。右側のページで各地域の歴史や立地が文章で説明され、左側のページに各項目の地図や各国の立場が図示されている。

 以前読んだ『国際情勢の「なぜ」に答える!地政学入門』はヨーロッパ、北アメリカ、東アジアに焦点が当てられていた。しかしこの本では、それ以外の地域の中東やASEAN中央アジア南アメリカ、アフリカの解説が充実しており、知識の空白を埋めることが出来た。嬉しい。もちろん、欧米や東アジアの解説も充実しているので安心して欲しい。

 本書の特色は、日本の立ち位置を至る所で顧みている点かと思う。どういうことかというと、例えば、ロシアの地政学の解説中にロシアから見た世界の解説だけでなく、日本とロシアの関わり、ひいては日本からロシアへの関わり方を考察したりしている。あるいは、中東やアフリカなどの章で、日本の地政学的状況と似た国に話が及ぶと、そのまま日本と東アジアの関わりに話題がシフトし、日本が今後どのような道を進むべきかに話が発展することがある。

 

 

これらの2冊の初心者向けの地政学の本を読んで、もう少し深い知識も書いて欲しいと感じたが、これ以上の情報が欲しい場合は、やはり各地域ごとの解説本を読むしかないのだろうか。一応、世界情勢について、広く、かつある程度の深さまでは分かったのでよしとしたい。

 どちらの本も結構わかりやすいので良かったが、どちらか一方だけ選ぶなら、『国際情勢の「なぜ」に答える! 地政学入門』の方が良い。こちらの方がさっくり読めるので、とっかかりにオススメ。